公式サイトからの予約が増える導線設計
「予約ボタンが目立たないのでは」というご相談をいただくことがあります。ただ、ボタンを大きくしても数を増やしても、直販はあまり動きません。問題はたいてい、ボタンの手前にあります。
導線設計というのは、ボタンの配置の話ではなく、読み手の気持ちが動く順番に情報を並べる話です。
「泊まりたい」と思う地点を決める
予約は、宿を知った直後には起きません。写真を見て、部屋を確かめて、食事の内容を読んで、行き方を確認して、ようやく検討に入ります。この「泊まりたい」と思う地点が、宿によって違います。
料理が主役の宿なら、献立と器の写真を見終えたところ。景色が売りなら、窓からの眺めを見た直後。そこが決まれば、予約への入口をどこに置くべきかも決まります。ページの最下部に一つ置くだけ、という設計が弱いのは、気持ちが動いた地点と入口が離れているからです。
予約導線は一本にする
「ご予約」「空室確認」「お問い合わせ」「電話する」が同じ画面に並んでいると、選択そのものが負荷になります。迷った結果、使い慣れた予約サイトに戻る、というのはよくある流れです。
主たる導線は一本に決めてください。電話予約が多い宿なら電話を主役にし、Web予約を伸ばしたいなら空室確認を主役にする。残りは目立たない位置に置きます。
予約画面の手前で離脱する理由
予約エンジンに遷移した瞬間にデザインが変わり、宿の世界観が途切れる。これだけで一定数が離脱します。予約エンジン側で色や文言を調整できる場合が多いので、まず設定を確認してください。
また、日付を選んでから「満室です」と表示される作りだと、そこで終わってしまいます。空室のある日を先に示せるなら、そのほうが親切です。
- 予約エンジンに移った瞬間、別のサイトに来たように見えないか
- 日付選択がスマートフォンで押しやすいか
- 満室のときに、代替の日程や部屋が示されるか
- 入力項目が多すぎないか(会員登録を必須にしていないか)
OTAで知った人が、公式に戻る動線
直販を伸ばす現実的な道筋は、新規のお客さまを公式サイトだけで集めることではなく、予約サイトで知っていただいた方に、二度目は公式から予約していただくことです。
そのためには、滞在中と滞在後に公式サイトを思い出す接点が要ります。館内の案内に公式サイトのQRコードを添える、お礼のメールに次の季節の企画ページを載せる。サイトの中だけで完結する話ではありません。
確かめ方
ご自身のスマートフォンで、トップページから予約直前まで一度通してみてください。指が止まった箇所、迷った箇所、戻りたくなった箇所が、そのままお客さまの離脱地点です。導線設計の見直しは、そこからでないと始まりません。