手数料と直販
公式限定特典の作り方——予約サイトと差をつける
同じ部屋が同じ値段で予約サイトにも並んでいるなら、お客さまは使い慣れたほうを選びます。ポイントが付く分、むしろ予約サイトが有利です。公式から予約していただくには、「ここでしか取れない」ものが要ります。
値引きで対抗しない
最も分かりやすいのは公式限定の割引ですが、これは手数料を削った分を値引きに回しているだけで、利益は戻りません。加えて、予約サイト側の規約で最安値の提供を制限されている場合もあります。
値引き以外で、原価がかからず、宿にとって負担の小さいものを探すのが基本方針です。
原価をかけずにできること
宿がすでに持っている資源のうち、追加の仕入れが不要なものを特典にします。
- 時間——早めのチェックイン、遅めのチェックアウト。稼働に余裕のある日だけに絞れば負担は小さい
- 場所——貸切風呂の優先予約、眺めの良い席の確保
- 在庫——公式だけに残しておく部屋。数室でよい
- 情報——周辺の過ごし方を書いた案内、店主おすすめの一枚
- 手間——記念日の設え、到着前の連絡
どれも仕入れが増えません。稼働の高い日に負担が集中しないよう、適用できる日を限る運用にしておくと続けられます。
特典を決めるときの3つの問い
1. 予約サイトでは提供できないものか
予約サイトのプランでも同じことができるなら、公式を選ぶ理由になりません。「公式限定」と書くからには、本当に限定である必要があります。
2. 繁忙期に破綻しないか
満室の日にレイトチェックアウトを約束すると、清掃が回りません。適用日を限る、部屋数を限る、といった条件を最初から決めておきます。条件を後から付けると、かえって印象を損ねます。
3. 予約前に伝わるか
特典は、予約を決める前に見えていなければ意味がありません。プランの詳細ページの奥深くではなく、比較している段階で目に入る位置に置きます。
書き方で伝わり方が変わる
「公式限定特典あり」とだけ書かれていても、何が得られるのか分かりません。「12時までゆっくりお過ごしいただけます」のように、体験として書くほうが伝わります。
一つから始める
特典を並べるほど強くなるわけではありません。運用が回らなくなるほうが問題です。まずは負担の小さいものを一つ決めて、公式サイトの目立つ位置に置いてみてください。効いているかどうかは、公式経由の予約比率で分かります。